デスクワークや手作業などで腕をよく使う方の中には、肩甲骨周りの「張り感」や背中の不調に悩まれている方も多いのではないでしょうか。
実は、その肩甲骨のバランスの乱れが、直接関係ないと思われる腕や肘、さらには膝の違和感につながっている可能性があります。
この記事では、身体の専門的な視点から、肩甲骨のバランスが乱れる一般的な原因や、それが腕や膝にどのように影響するのかを解説します。
さらに、日常生活で実践できる簡単なセルフケア方法もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

江本直樹 元力士・柔道整復師
出羽海部屋で「鷲の海」として活躍後、自身の深刻な怪我と治療院巡りの経験から「痛みの向こうに希望を創る」を信念に健湧接骨院を開院。
痛みの本当の原因は別の場所にあるという独自の視点で全身のバランスを整え、患者様の不安を安心に変えます。
「もう治らない」とあきらめていませんか?
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あなたの「治療院巡りの最後」となれるよう全力でサポートします。
「こんなお悩み、ありませんか?」

- 長時間同じ姿勢で作業していると、肩甲骨の内側や背中が張ってつらくなる。
- 腕を上げたり、物を持ったりする際に肘に違和感がある。
- 以前より腕が疲れやすくなった気がする。
- 立ち上がりや歩き始めに、膝に軽い違和感を覚えることがある。
- 自分の姿勢が崩れているのは分かるが、どうすれば良いか分からない。
このようなお悩みは、身体のバランスが変化しているサインかもしれません。
特に肩甲骨周りのコンディションは、全身の動きに影響を与えやすい部分と考えられています。
肩甲骨のバランスが乱れると、なぜ腕や膝に影響が?

身体の各部分は、筋肉や筋膜といった組織で互いに連結し、連動して動いています。
これを「運動連鎖」と呼ぶことがあります。
そのため、肩甲骨周りのバランスが崩れると、その影響が腕や脚にまで及ぶ可能性があるのです。
例えば、猫背のような姿勢で肩甲骨が外側に開いた状態が続くと、肩や腕の筋肉が常に引っ張られ、負担がかかりやすくなります。
その結果、肘周辺に違和感として現れることも考えられます。
また、上半身のバランスが崩れると、それを補うために骨盤や下半身の動きにも変化が生じることがあります。
無意識のうちに膝に負担のかかる歩き方や立ち方になり、膝の違和感につながるケースも少なくありません。
このように、一見すると無関係に思える部位の不調も、実は肩甲骨周りのバランスの乱れに起因している可能性があるのです。
腕を使う仕事で起こりやすい!肩甲骨バランスが乱れる主な原因

なぜ、腕を使う仕事をしていると肩甲骨のバランスが乱れやすいのでしょうか。
一般的に考えられる主な原因をいくつかご紹介します。
- 長時間の同一姿勢:
デスクワークやスマートフォンの操作などで、背中を丸めた姿勢を長時間続けることは、肩甲骨周りの筋肉を緊張させ、動きを悪くする一因です。 - 腕の反復動作:
特定の腕の動きを繰り返す作業は、一部の筋肉にばかり負担をかけ、筋肉のアンバランスを生み出すことがあります。 - 身体の使い方の癖:
無意識のうちに行っている身体の使い方の癖(例:いつも同じ側の腕で荷物を持つ、頬杖をつくなど)も、左右のバランスを崩す要因となり得ます。
これらの要因が重なることで、肩甲骨は本来あるべき位置からずれ、
周囲の筋肉が過剰に緊張したり、逆に働きにくくなったりして、
全身のバランスに影響を及ぼすと考えられています。
日常生活でできる!簡単セルフケアと対策

ここでは、ご自宅や仕事の合間に30秒ほどでできる簡単なセルフケアをご紹介します。
身体の状態を整え、不調を予防するために役立ててみてください。
1. 姿勢のセルフチェック
まずはご自身の現在の状態を確認してみましょう。
壁にかかと、お尻、背中、後頭部をつけて自然に立ってみてください。
このとき、腰と壁の間に手のひら一枚分以上の隙間がある、あるいは後頭部が壁につきにくい場合は、姿勢が崩れている可能性があります。
2. 胸を開く簡単ストレッチ
長時間前かがみの姿勢が続くと、胸の筋肉が縮こまり、肩甲骨が外側に引っ張られやすくなります。
- 壁の横に立ち、片方の肘を90度に曲げて、手のひらから肘までを壁につけます。
- 壁につけた腕と同じ側の足を一歩前に踏み出します。
- ゆっくりと身体を前に倒し、胸や肩の前側が心地よく伸びるのを感じながら20秒ほど維持します。
- 反対側も同様に行いましょう。
3. 肩甲骨を動かす意識を持つ
日常生活の中で、意識的に肩甲骨を動かすことも大切です。
例えば、コピーを取りに行く際などに、両腕を軽く後ろに引いて肩甲骨を中央に寄せるような動きを数回行ってみましょう。
適度に筋肉を動かすことで、血行の改善も期待できます。
これらのセルフケアは、痛みを感じない範囲で、無理なく行うことが大切です。
「これをすれば良くなる」と断定できるものではありませんが、ご自身の身体に関心を持ち、日々の生活習慣を見直すきっかけとしてご活用ください。
よくある質問(FAQ)

セルフケアはどのくらいの頻度で行うのが良いですか?
一般的には、1日に数回、気づいた時に行うのがおすすめです。
例えば、デスクワークであれば1時間に1回立ち上がって身体を動かすなど、習慣にすることが望ましいと考えられています。
ただし、回数にこだわらず、ご自身の身体の状態に合わせて無理なく続けてみてください。
違和感があるときは、運動した方が良いですか?それとも安静にすべきですか?
状態によって異なります。
急な痛みや強い炎症が疑われる場合は、安静にして専門家(医師など)に相談することが推奨されます。
一方で、慢性的な張り感やこりのような状態であれば、今回ご紹介したような軽いストレッチが有効な場合もあります。
ご自身の判断で無理に行わず、不安な場合は専門家にご相談ください。
まとめ

今回は、肩甲骨のバランスの乱れが、腕や膝の不調にどのように関係しているのか、そして日常生活でできるセルフケアについて解説しました。
- 身体は連動しており、肩甲骨の不調が腕や膝に影響することがある。
- 長時間の同一姿勢や身体の使い方の癖が、バランスを乱す主な原因となり得る。
- 日々のセルフチェックや簡単なストレッチが、不調の予防や維持につながる。
この記事を通じて得た情報を、ご自身の健康状態に関心を持ち、適切な身体のケアを行うきっかけにしていただければ幸いです。もし、セルフケアを続けても状態が改善しない場合や、強い痛み、不安な点がある場合は、決して無理をせず、お近くの医療機関や専門家へ相談することをお勧めします。
柔道整復師 江本直樹 監修
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