パソコン作業を終えて椅子から立とうとした瞬間、腰が固まり、しばらく机に手をついたまま動けない。
「立ち上がる時だけ、腰が痛い」
「伸ばそうとしても、腰がまっすぐにならない」
そんな状態を、年齢や疲れのせいだと思って過ごしている方がいます。
日が短くなる秋は、仕事でも帰宅後のソファでも、座って過ごす時間が長くなりやすい時期です。
この記事では、立ち上がりの腰痛に太ももの前と後ろの張り具合の差が関わる理由と、座ったまま試せる確かめ方を、柔道整復師 江本直樹が解説します。
心当たりのある方は読み進めてみてください。

院長から
お伝えしたいこと
元力士「鷲の海」として土俵に立っていた頃、私自身も幾度となく怪我と痛みに苦しみました。
だからこそ良くなってほしい。
その思いで、日々施術をしています。
「もう治らない」と諦める前に、ぜひ一度、ご相談ください。
なぜ立ち上がる瞬間に腰が痛むのか?

座っている間に縮んだ太ももの前側が、立ち上がる瞬間に骨盤を前へ引っぱり、腰に負担が集まることがあります。
椅子に座ると股関節は曲がり、太ももの前側から骨盤、腰の骨の内側へとつながる筋肉は縮んだ状態です。
この姿勢が何時間も続くと、筋肉はその短い長さに慣れてしまいます。
長く巻いたまま置いておいたホースは、伸ばしても巻きぐせが残るもの。
太ももの前側でも、似たことが起こりやすくなります。
その状態で立ち上がると、伸びきらない太ももの前側が骨盤を前へ引き寄せます。
体はまっすぐ立とうとするので、足りない分を腰を反らせて補うことになりがちです。
立ち上がる瞬間に腰が固まり、すぐには伸ばせない理由の一つが、ここにあります。
痛むのは腰でも、きっかけは太もも側にある。
当院では、痛みの出ている場所だけでなく、その負担がどこから来ているかを確かめることを大切にしています。
なぜ腰をほぐしても、立ち上がりの痛みは繰り返すのか?

太ももの前と後ろの張り具合に差が残ったままだと、骨盤が傾いた位置で座り続けることになり、同じ負担が繰り返されると当院では考えています。
座っている間、太ももの前側は縮み、裏側は座面に押しつけられたまま。
押しつぶされた側では血の巡りが滞りやすく、筋肉が硬くなりやすいと考えています。
この前後の差に、脚を組む、片側に体重を乗せるといった座り方の左右差が加わると、骨盤がねじれた位置で固まってしまうケースがあります。
腰をほぐすと、その場では軽くなったように感じるかもしれません。
それでも、柱が傾いたままの家は、壁のひびを埋めても、しばらくするとまた同じ場所にひびが入ります。
土台にあたる太ももと骨盤の差が残っていれば、次に長く座ったあと、また同じ痛みが戻りやすくなります。
試しに、椅子に浅く腰かけたまま、片脚ずつ膝をまっすぐ伸ばしてみてください。
太ももの裏の突っ張り方や伸ばしやすさは、左右で同じでしょうか?
違いがあるようなら、その差が、立ち上がる時に腰へかかる負担の偏りと関係していることがあります。
痛みが出る場合は、無理に伸ばさないでください。
秋に座る時間が延びると、腰には何が起こるのか?

仕事の椅子と帰宅後のソファで座る時間がつながり、太ももの前側が縮んだままの時間が一日の大半を占めやすくなります。
日が短くなり、気温も下がる秋は、夕方の散歩や外出が減り、家で座って過ごす時間が増えやすい季節です。
特にソファのような柔らかい座面では、骨盤が後ろへ倒れて腰が丸まりやすく、立ち上がる時にはそこから大きく体を起こさなければなりません。
デスクワークで固まった太ももと骨盤のまま、夜はソファでさらに同じ姿勢を重ねている。
そんな一日の流れが、立ち上がりの腰痛を強めているケースがあります。
立ち上がるたびに「腰が怪しい」「ぎっくり腰の一歩手前みたい」とおっしゃる方がいます。
その段階で体の土台を整えておくことが、大きな痛みを避けることにつながると当院では考えています。
よくある経過のパターン

ケース1:普段は腰が痛くないのに、立ち上がる時だけ痛む方
座っている間や歩いている間は気にならず、椅子から立つ一瞬だけ腰に痛みが出るケースです。
このようなケースでは、腰そのものより、座っている間に縮んだ太ももの前側が骨盤を前へ引いていることがあります。
太ももの前後と骨盤のバランスを整えていくと、立ち上がりの引っかかりは和らぎやすくなります。
ケース2:腰をほぐすと楽になるが、数日で戻ってしまう方
その場では軽くなっても、長く座る日が続くと同じ痛みが戻ってきます。
このような場合、太ももの前後の張り具合の差に、脚を組む、片側に体重を乗せるといった左右の癖が重なり、骨盤がねじれた位置で固まっているケースが目立ちます。
腰だけでなく土台の左右差を整えることで、痛みが戻るまでの間隔が延びていく方もいます。
ケース3:長く座ったあと、腰が伸びるまで数分かかる方
立ち上がってもしばらく手をついたまま動けず、椅子から立つたびに、ぎっくり腰の一歩手前みたいな怖さがつきまといます。
このように状態が重い場合は、変化そのものが体に応えることがあるため、間をあけながら段階的に整えていきます。
回数を重ねるうちに、立ち上がってから動き出すまでの時間が短くなっていく。
そうした経過をたどる方が少なくありません。
よくあるご質問

ソファに座ると腰痛になりますか?
ソファそのものが腰痛の原因になるとは限りません。
柔らかい座面は骨盤が後ろへ倒れやすく、その姿勢が長く続くことで腰に負担がかかることがあります。
時々座り直したり、一度立ち上がったりして、同じ姿勢を続けないことを心がけてみてください。
立ち上がる時の腰の痛みは、ぎっくり腰の前触れですか?
前触れと決まっているわけではありません。
ただ、立ち上がるたびに腰が固まる状態は、腰に負担が集まっているサインと考えられます。
脚のしびれがある、じっとしていても痛む、といった場合は、まず整形外科で画像検査を受けることをおすすめします。
そのうえで、体のバランスの面からお手伝いできることがあります。
腰のためのストレッチは、長く続けたほうがよいですか?
短く区切って行うほうが、体に合いやすいことがあります。
伸ばしすぎると、かえって筋肉が身構えて硬くなる場合があるためです。
当院では、個人差はありますが、10秒ほどを数回に分けて行う目安をお伝えしています。
まとめ

椅子から立つ瞬間の腰の痛みは、座っている間に縮んだ太ももの前側が骨盤を前へ引くことで起こりやすくなります。
腰をほぐしても戻ってしまう場合は、太ももの前後や左右の張り具合の差が、土台に残っていることがあるのです。
日が短くなり家で座る時間が増える秋は、こうした負担が重なりやすい季節。
腰痛の原因や当院の施術の考え方については、こちらのページでも詳しく紹介しています。
立ち上がるたびに腰が固まる状態を、季節や年齢のせいとあきらめる必要はありません。
仲町台・都筑区で、座ったあとの腰の痛みにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
【柔道整復師 江本 直樹 監修】



