デスクワークや車の運転中、座っていると腰がズキズキと痛むのに、立ち上がって歩き始めると不思議と楽になる…。
そんな経験をくり返していませんか?
その場しのぎのマッサージや湿布では、根本的な解決には至りません。
この不快なサイクルの原因は、日常生活の「座り方」と、それに伴う「骨盤と股関節」の状態に隠されています。
今回は、なぜこのような症状が起こるのか、そしてこのサイクルから抜け出すための具体的な方法を、身体のプロの視点から詳しく解説します。

江本直樹 元力士・柔道整復師
出羽海部屋で「鷲の海」として活躍後、自身の深刻な怪我と治療院巡りの経験から「痛みの向こうに希望を創る」を信念に健湧接骨院を開院。
痛みの本当の原因は別の場所にあるという独自の視点で全身のバランスを整え、患者様の不安を安心に変えます。
「もう治らない」とあきらめていませんか?
私も同じ辛さを経験しました。
あなたの「治療院巡りの最後」となれるよう全力でサポートします。
なぜ座位で悪化し歩行で軽くなるのか—骨盤と股関節の関係

この症状を理解する鍵は、座っている時と歩いている時の「骨盤の角度」にあります。
- 座っている時(悪化の原因)多くの人は椅子に座ると、無意識に背中が丸まり、骨盤が後ろに倒れた状態(骨盤後傾)になります。
この姿勢では、腰椎(腰の骨)の自然なカーブが失われ、椎間板や周辺の筋肉に過度な負担が集中します。
さらに、股関節の付け根にある筋肉(腸腰筋など)が縮こまったまま固まり、骨盤の歪みを助長してしまうのです。 - 歩いている時(楽になる理由)一方、歩行時は股関節と骨盤が連動して動くため、固まっていた筋肉が使われ、血流が促進されます。
また、自然と背筋が伸びやすくなるため、腰への負担が一時的に軽減されます。
これが「歩くと楽になる」感覚の正体です。
しかし、これはあくまで一時的な緩和に過ぎません。
原因である「座り姿勢の歪み」を解決しない限り、座るたびに痛みは再発してしまいます。
まずは“やめる”ケア:合わない湿布の使い方・座り方のクセ

改善の第一歩は、良かれと思って続けている間違ったケアや、無意識のクセをやめることです。
- 冷湿布の多用をやめるズキズキ痛むからといって、慢性的な腰痛に毎回冷湿布を使っていませんか?
炎症を伴わない慢性的な痛みの場合、冷やすことで筋肉が硬直し、血行が悪化して逆効果になることがあります。
温めるタイプの湿布や、カイロなどで血行を促進する方が効果的な場合が多いです。 - NGな座り方のクセをやめる
- 脚を組む: 骨盤が左右非対称にねじれ、歪みの大きな原因となります。
- 浅く腰掛けて背もたれに寄りかかる: 骨盤が後ろに倒れ、腰に最も負担がかかる座り方です。
- 椅子に深く腰掛け、骨盤を立てる(坐骨で座る)ことを意識しましょう。
今日からできる1分ストレッチ(太もも前/お尻/体側)

座ることで固まりやすい筋肉を、1分でリセットする簡単なストレッチです。
痛みが出ない範囲で、気持ちよく伸ばしましょう。
- 太もも前のストレッチ(腸腰筋)
- 片膝を立て、もう片方の脚は後ろに伸ばします。
- 背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと体重を前にかけ、後ろ脚の付け根が伸びるのを感じます。
- 左右それぞれ30秒キープ。
- お尻のストレッチ(梨状筋)
- 椅子に座り、片方の足首を反対側の膝の上に乗せます。
- 背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと上半身を前に倒し、お尻の筋肉が伸びるのを感じます。
- 左右それぞれ30秒キープ。
- 体側のストレッチ(腰方形筋)
- 椅子に座ったまま、片手を上げ、反対側にゆっくりと身体を倒します。
- 脇腹から腰にかけてが気持ちよく伸びるのを感じましょう。
- 左右それぞれ30秒キープ。
首の違和感が腰に波及するときのサイン

人間の身体は、頭のてっぺんから足の先まで連動しています。特に、重い頭を支える「首」の状態は、背骨を通じて「腰」に直接的な影響を与えます。
- 慢性的な肩こりや首の痛みがある
- PC作業やスマホ操作の後に、腰の痛みが強くなる
- 頭痛や眼精疲労を頻繁に感じる
これらのサインは、首周りの不調が原因で全身のバランスが崩れ、結果として腰に負担がかかっている可能性を示唆しています。腰だけを揉んでも改善しない場合は、首を含めた全身の歪みを評価する必要があります。
当院で確認するチェック項目と、3〜4週間後の再評価

セルフケアで改善が見られない、または痛みの根本原因をしっかり特定したい場合は、専門家による評価をおすすめします。
健湧接骨院では、単に痛い場所をマッサージするだけではありません。
以下の項目を詳細にチェックし、痛みの根本原因を突き止めます。
- 姿勢分析: 立位・座位での骨盤の傾きや背骨の弯曲を客観的に評価します。
- 可動域テスト: 股関節や腰椎、胸椎の動きをミリ単位で確認し、動きの悪い部分を特定します。
- エコー(超音波)検査: レントゲンでは映らない筋肉や靭帯の状態を可視化し、組織の硬さや炎症の有無を正確に把握します。
- 生活習慣のヒアリング: 日常の座り方、仕事内容、睡眠環境などをお伺いし、痛みの原因となる隠れたクセを見つけ出します。
初回施術で痛みの変化を体感していただくだけでなく、3〜4週間後に再評価を行うことで、身体が正しく変化しているか、
セルフケアが適切に行えているかを確認します。このプロセスこそが、痛みをくり返さない身体を作るための最短ルートです。
お悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
【柔道整復師 江本 直樹 監修】
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