部活動に一生懸命打ち込む中で、「膝が痛い」という悩みを抱えている学生の方は少なくないのではないでしょうか?
全力でプレーしたいのに、痛みが気になって集中できない、練習を休まざるを得ないというのは、非常につらい状況かと存じます。
この記事では、そんな部活動に励む学生の皆さんに向けて、膝の痛みの背景にある考えられる原因や、日々のコンディション維持に役立つセルフケアのヒントを、専門的な視点から分かりやすくお伝えします。

江本直樹 元力士・柔道整復師
出羽海部屋で「鷲の海」として活躍後、自身の深刻な怪我と治療院巡りの経験から「痛みの向こうに希望を創る」を信念に健湧接骨院を開院。
痛みの本当の原因は別の場所にあるという独自の視点で全身のバランスを整え、患者様の不安を安心に変えます。
「もう治らない」とあきらめていませんか?
私も同じ辛さを経験しました。
あなたの「治療院巡りの最後」となれるよう全力でサポートします。
こんなことでお困りではありませんか?

- 練習中や練習後に膝のお皿の下や、その周りが痛む
- 走ったり、ジャンプしたり、ボールを蹴ったりする動作で痛みを感じる
- 一度は痛みが引いたのに、練習を再開するとぶり返してしまう
- 「成長痛だから」と言われたが、本当にそうなのか不安に感じている
- 痛みを我慢しながらプレーを続けており、パフォーマンスが上がらない
このようなお悩みは、決して特別なことではありません。
多くの学生アスリートが同様の経験をしています。大切なのは、その痛みのサインを見過ごさず、ご自身の身体と正しく向き合うことです。
膝の痛み、症状名だけで判断していませんか?

スポーツ活動で生じる膝の痛みには、「オスグッド・シュラッター病」や「ジャンパー膝(膝蓋腱炎)」といった、よく知られた名前がつくことがあります。
これらはもちろん、状態を把握する上で重要な指標となります。
しかし、大切なのは「なぜ、そこに負担が集中してしまったのか?」という根本的な要因を探ることです。
これらの症状名は、いわば「結果」であり、その背景には身体全体の使い方の癖やバランスの問題が隠れている可能性が考えられます。
膝そのものだけを見るのではなく、より広い視野で身体のつながりを理解することが、コンディション改善への第一歩となります。
痛みの根本原因は「膝以外」にある可能性

膝は、股関節と足首という2つの大きな関節に挟まれており、これらの関節の動きから大きな影響を受けます。
そのため、痛みの原因が膝以外の場所にあることは決して珍しくありません。
全身のつながりと動き方・足指・体幹の連動性
私たちの身体は、一つひとつのパーツが連動して動いています。
例えば、走る、跳ぶといった動作は、足の指で地面をしっかり捉え、その力が足首、膝、股関節、そして体幹へとスムーズに伝わることで、効率的かつパワフルな動きが生まれます。
しかし、足指がうまく使えていなかったり、体幹の安定性が不足していたりすると、この連動性が崩れてしまいます。
その結果、本来であれば全身で分散されるべき衝撃や負担が、膝関節に過剰に集中してしまうことがあるのです。
これが、繰り返される練習の中で、痛みを引き起こす一因になると考えられています。
見落としがちなポイント:母趾背屈(足の親指の反り)と走跳動作の関係
特に見落とされがちなのが、「母趾(足の親指)」の動きです。
地面を蹴り出す最後の瞬間、親指がしっかりと反る(背屈する)ことで、ふくらはぎやもも裏の筋肉が適切に働き、前方への推進力が生まれます。
この親指の反りが不十分だと、身体はそれを補うために、膝や腰などに余計な負担をかける動き方をすることがあります。
一見、膝とは関係ないように思える足の指の動きが、実は膝のコンディションに深く関わっている可能性があるのです。
日々の練習で差がつく!膝を守るセルフケア習慣

痛みの改善や再発予防のためには、専門家による適切なケアと並行して、ご自身で日々行えるセルフケアが非常に重要になります。
強すぎる刺激は逆効果?回復を促すやさしいケアの重要性
痛みや張りが強いと、ついゴリゴリと強くマッサージをしたくなるかもしれません。
しかし、炎症を起こしている可能性のある部位に強い刺激を加えることは、かえって組織の回復を妨げてしまう場合があります。
大切なのは、身体の回復を「促す」という視点です。
血流を良くする目的で、痛みを感じない範囲で優しくさすったり、お風呂でゆっくり温めたりするなど、身体が本来持っている回復力を引き出すような、やさしいケアを心がけることが推奨されます。
練習前後の新常識!パフォーマンスを高めるケア(30秒〜)
ここでは、練習前後や自宅での隙間時間に行える、簡単なセルフケアをいくつかご紹介します。
- 股関節のストレッチ
- 床に座り、両足の裏を合わせます。
- 両手でつま先を持ち、背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと体を前に倒します。
- 股関節の内側が心地よく伸びるのを感じながら、30秒ほどキープします。
- もも裏(ハムストリングス)のストレッチ
- 床に座って片足を伸ばし、もう片方の足は膝を曲げて、足裏を伸ばした方の内ももにつけます。
- 背筋を伸ばし、骨盤から体を前に倒すようにして、伸ばした足のつま先に向かって手を伸ばします。
- ももの裏側が伸びているのを感じながら、30秒ほどキープし、反対側も同様に行います。
- 足裏のほぐし
- 椅子に座り、床に置いたテニスボールやゴルフボールを片方の足裏でゆっくりと転がします。
- 土踏まずを中心に、気持ち良いと感じる強さで30秒〜1分ほど行い、反対側も同様に行います。
これらのケアは、膝への負担を軽減するだけでなく、パフォーマンスの向上にもつながる可能性があります。
よくあるご質問(FAQ)

膝のサポーターは着けた方が良いですか?
サポーターには、関節の安定性を高めたり、安心感を得られたりするといった側面があります。しかし、サポーターに頼りすぎることで、本来使うべき筋肉が働きにくくなる可能性も指摘されています。使用の目的を明確にし、長期間の常用については専門家にご相談いただくことをお勧めします。
痛みが強いときは、どのくらい練習を休むべきですか?
痛みの程度や原因によって適切な期間は異なります。一概に「何日休むべき」とは言えません。重要なのは、痛みを我慢してプレーを続けないことです。痛みが強い場合や、長引く場合は、まず医療機関を受診し、医師の診断を仰ぐことが大切です。その上で、身体の状態に合わせて練習内容を調整することが望ましいと考えられます。
まとめ:未来のコンディションのために

今回は、部活動に励む学生の皆さんを悩ませる膝の痛みについて、その背景にある考えられる原因と、ご自身でできるケアの方法についてお伝えしました。
- 膝の痛みは、症状名だけでなく「なぜそこに負担がかかったか」という原因を探ることが重要です。
- 原因は、足指の機能や体幹の安定性など、膝以外の場所にある可能性が考えられます。
- 強すぎる刺激ではなく、身体の回復を促すやさしいケアや、練習前後の適切なストレッチを習慣にすることが望まれます。
もし、レントゲンなどの画像検査で「異常なし」と診断されても痛みが続く場合、それは骨以外の筋肉や腱、あるいは身体の使い方に問題が隠れているサインかもしれません。
セルフケアを続けても痛みが改善しない場合や、プレーへの影響が大きい場合は、決して一人で悩まず、まずは医療機関を受診してください。その上で、身体の専門家に相談し、ご自身の身体の状態を正しく把握することが、今後のスポーツ人生において非常に重要となります。
この記事が、あなたの悩みを解決する一助となれば幸いです。
【柔道整復師 江本 直樹 監修】
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