子育て中の夜泣きの対応、締め切りに追われる仕事のプレッシャー…。
忙しい毎日を送る中で、「ぐっすり眠れた」と感じる日は、一体どれくらいあるでしょうか?
睡眠不足が続くと、日中のパフォーマンスが低下するだけでなく、身体のあちこちに原因の分からない小さな痛みや不調が現れやすくなります。
私たちの心と体は、睡眠中に一日の疲労を回復し、傷ついた組織を修復しています。
しかし、その貴重なメンテナンスの時間が十分に確保できないと、日常の些細な負担が蓄積し、手首や足首の痛み、慢性的な肩こりといった形で表面化してくるのです。
この記事では、横浜市およびその近郊で、家庭や仕事に尽力するあまり、ご自身のケアが後回しになりがちな方へ向けて、睡眠の質と身体の痛みの深い関係を解説します。
そして、多忙な生活の中でも実践できる、心と体をいたわるためのセルフケアの工夫を専門的な視点からご紹介します。

江本直樹 元力士・柔道整復師
出羽海部屋で「鷲の海」として活躍後、自身の深刻な怪我と治療院巡りの経験から「痛みの向こうに希望を創る」を信念に健湧接骨院を開院。
痛みの本当の原因は別の場所にあるという独自の視点で全身のバランスを整え、患者様の不安を安心に変えます。
「もう治らない」とあきらめていませんか?
私も同じ辛さを経験しました。
あなたの「治療院巡りの最後」となれるよう全力でサポートします。
こんなサイン、見過ごしていませんか?

- 夜中に何度も目が覚めてしまい、朝から疲労感が抜けない。
- 赤ちゃんを抱っこしたり、PC作業をしたりすると手首が痛む。
- 何もしていないのに、足首や足の裏がだるく感じることがある。
- 自分のための時間はほとんどなく、常に何かに追われている感覚がある。
- 香りや音楽など、リラックスするための方法に興味はあるが、何から始めればいいか分からない。
これらのサインは、心身が休息を求めている証拠です。
ご自身の身体の声に、少しだけ耳を傾けてみませんか?
夜泣きや仕事の疲れで乱れる睡眠とその対策

睡眠の質が低下する原因は様々ですが、特に育児中の親御さんや多忙な方に共通するのは、自律神経のバランスの乱れです。
自律神経は、体を活動的にする「交感神経」と、リラックスさせる「副交感神経」から成り立っています。
・育児における睡眠の問題
赤ちゃんの夜泣きに対応する際、親の脳は「いつでも起きられるように」と、浅い睡眠状態を保とうとします。
これは、交感神経が優位な状態が続くことを意味し、たとえ合計の睡眠時間が長くても、心身の回復に不可欠な深い眠り(ノンレム睡眠)が不足しがちになります。
この状態が続くと、疲労が抜けきらず、日中の活動力や集中力の低下につながります。
・仕事のストレスと睡眠
一方、仕事のプレッシャーや長時間労働もまた、交感神経を過剰に刺激します。
夜、ベッドに入っても仕事のことが頭から離れなかったり、翌日のプレゼンのことを考えて緊張したりするのは、脳が休息モードに切り替われていない証拠です。
この「心の緊張」が「体の緊張」を招き、筋肉がこわばったまま眠りにつくため、朝起きても体がガチガチで、疲れが取れていないという感覚に陥るのです。
【睡眠の質を高めるための工夫】

- 入眠儀式を作る:
就寝前の5〜10分だけでも、「これを入眠の合図にする」という習慣(儀式)を作りましょう。
例えば、温かいハーブティーを飲む、数ページだけ好きな本を読む、ヒーリング音楽を聴くなど、ご自身が心地よいと感じるもので構いません。 - 交感神経を鎮める:
布団の中で、ゆっくりと腹式呼吸を数回行いましょう。
日中の緊張で浅くなった呼吸を深くすることで、副交感神経が優位になり、心身がリラックスモードに切り替わりやすくなります。
日常の小さな負担が手首や足首の痛みにつながる理由
睡眠不足で回復力が低下している身体は、普段なら何でもないような日常動作の負担にも耐えられなくなり、痛みとしてサインを出すことがあります。
・手首への負担(育児・デスクワーク)
赤ちゃんを抱っこする際、特に首が座っていない時期は、手首を不自然な角度で固定し続けることが多くなります。
この繰り返しが、腱やその周りの組織に炎症を起こし、いわゆる「腱鞘炎」を引き起こすことがあります。
また、デスクワークでのマウス操作やタイピングも、手首を反らせた状態が続くと、手首の神経の通り道(手根管)を圧迫し、しびれや痛みの原因となり得ます。
・足首への負担(抱っこ・立ち仕事)
子どもを抱っこする時、無意識に骨盤を片側にスライドさせ、お尻の上に乗せるような立ち方になっていませんか?
この姿勢は、片側の足に極端な体重がかかり、足首や足裏のアーチに大きな負担をかけます。
この重心の偏りが、足首周りのだるさや痛みの原因となるのです。
また、疲労が蓄積すると、歩行時に足を引きずるような形になり、足首の関節に余計なストレスがかかりやすくなります。
これらの痛みは、睡眠不足で筋肉の修復が追いつかないために、より強く、そして長引きやすくなるという悪循環に陥りがちです。
香りやリラックス法で心身を整える工夫
心身が緊張し、交感神経が優位になっている状態を和らげるためには、五感に働きかけるリラックス法が有効です。特に「嗅覚」は、脳の感情や記憶を司る部分(大脳辺縁系)に直接働きかけるため、瞬時に気分を切り替えたい時に役立ちます。

- アロマテラピーの活用:
ラベンダーやカモミール、ベルガモットなどのエッセンシャルオイルは、リラックス効果が高いことで知られています。
ティッシュに1〜2滴垂らして枕元に置くだけでも、穏やかな香りが心身の緊張をほぐし、眠りへと誘ってくれます。
アロマディフューザーを使うのも良いでしょう。(※ペットや乳幼児がいるご家庭では、使用できる種類が限られるためご注意ください。) - 心地よい音楽:
波の音や小鳥のさえずりといった自然の音、あるいは歌詞のないゆったりとした器楽曲など、ご自身が「心地よい」と感じる音楽を小さな音で流すのも効果的です。意識が音に集中することで、頭の中の雑念から解放されやすくなります。 - 肌触りの良いものに触れる: なめらかなブランケットや、ふわふわのクッションなど、肌触りの良いものに触れることも、安心感をもたらし、副交感神経を優位にする助けとなります。
子育てや家事の合間にできる簡単ストレッチ

「ストレッチをする時間なんてない」と感じる方のために、数十秒でできる「ながらストレッチ」をご紹介します。
大切なのは、完璧に行うことではなく、こまめに身体を動かし、血流を促すことです。
- 手首のストレッチ(抱っこやPC作業の合間に):
- 片腕を前に伸ばし、手のひらを上に向けます。
- 反対の手で指先をつかみ、ゆっくりと手前に引き寄せ、手首から腕の内側を10秒ほど伸ばします。
- 次に、手のひらを下に向けて同様に行い、腕の外側を伸ばします。
- 足首のストレッチ(キッチンでの立ち仕事の合間に):
- 椅子や壁に手をついて身体を支えます。
- 片足を少し後ろに引き、かかとを床につけたまま、前の膝を軽く曲げてアキレス腱を伸ばします。
- そのまま、つま先を軸にして、内外にゆっくりと足首を回してみましょう。
痛みを感じる場合は無理をせず、あくまで「気持ち良い」と感じる範囲で行ってください。
専門家と見直す、健やかな生活リズムの作り方

セルフケアを試みても、疲労や痛みがなかなか改善しない。その背景には、ご自身では気づきにくい身体の歪みや、生活習慣の根深い問題が隠れているかもしれません。
そんな時は、一人で抱え込まず、身体の専門家と共に生活全体を見直すという視点も有効です。
専門家は、あなたの痛みや不調の根本原因を探るため、睡眠、仕事、家事、育児といった日々の生活について丁寧に話を聞き、姿勢や身体の使い方の癖を客観的に評価します。
そして、なぜ手首や足首に負担がかかっているのか、なぜ睡眠の質が低下しているのかを、身体全体のバランスから紐解いていきます。
大切なのは、画一的な健康法を当てはめるのではなく、あなたのライフスタイルの中で「これなら続けられる」という現実的な改善策を一緒に見つけ出すことです。
例えば、抱っこの仕方一つでも、少し意識を変えるだけで身体への負担は大きく変わります。
専門家との対話を通じて、ご自身の身体と生活への理解を深めることが、健やかな生活リズムを取り戻すための大きな一歩となるでしょう。
まとめ

- 育児や仕事による睡眠不足は自律神経の乱れを招き、心身の回復力を低下させる。
- 回復力が落ちた身体では、抱っこやPC作業といった日常の小さな負担が、手首や足首の痛みとして現れやすい。
- 香りや音楽、呼吸法などを活用し、意識的にリラックスする時間を作ることが、睡眠の質の向上につながる。
- 多忙な中でも、数十秒でできる「ながらストレッチ」をこまめに取り入れることが有効。
毎日を懸命に頑張るあなた自身の心と体を、どうか大切にいたわってあげてください。
この記事が、そのための小さなきっかけとなれば幸いです。
もし、つらい痛みや不調が続く場合は、我慢せずに医療機関や信頼できる専門家にご相談ください。
【柔道整復師 江本直樹 監修】
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